飯田線の，特急・伊那路1号に乗ろうと新幹線で豊橋に着いた。東京を7：26に出る
「こだま」635号である。ぎりぎりだと，遅延したときに乗れなくなると思ったが，
「こだま」の頻度は意外と少ない。のぞみ・ひかりを通すべく筋を引いてからそれを
縫うように「こだま」が走っている。
（新幹線の車窓から，浜名湖あたり）
きょうの東京は雪になる予報だが，さすがに朝早いと曇り。渋谷で副都心線を降り
たら小雨が降っていた。出すべきはがきを思い出して，ハチ公前交番で，「はがきを
出すポストは近くにありますか」と聞く。巡査さん『あちらもこちらもありますが，
どちらに行かれるのですか？』と。さすがに「ここに戻ってくるんです」とは言いか
ねて，「一番近くはどこでしょう」。結局，どれも同じくらいのようで，西武百貨店
方面をさして，『この手前のビルの陰になっているようなところにあります。』，「何
メートルくらいですか？」『さあ正確な距離はわかりませんが。すぐですよ。』「そう
ですか。お世話様でした。」と交番を後にする。
西武百貨店渋谷店の（交番からみて）手前の交差点（信号）近くにあった。次の信号
ってことになるので，100ｍほどかなと思う。無事投函。
実は，昨日も渋谷に寄った。クックのオーストラリア「発見」航海に，自然科学者とし
て同行したバンクスが描いた花の絵の展覧会が，bunkamura のミュージアムであった
ので，見に行った。地下鉄の出口９の近くに，東急百貨店本店と東横店（駅前）とを結ぶ
循環バスがあるので，それを待って乗った。無料。展覧会の方は，入場料1300円（一般），
図録は2000円。
「みてきたようなうそを言い」というのは，教師のことを言った言葉だけど，
確かに嘘を言ってきた。司馬遼太郎さんによれば，（街道をゆくの南蛮への道の巻。
ザビエルの生地へ行って，さらにポルトガルの西の端に言っている）。西欧の人が，
天動説を信じていたとき。海の沖には断崖があって，そこへいくと滝のように落っこちて
しまうと思っていたから，海へ積極的には出ようとはしなかった。それに反して，
イスラムの人は地中海を自由に航行していた。スペインにイスラムの文化の名残がみられ
るのはそのためだという。西欧の人はイスラムから航海術を学び，しばらくすると，
「大航海時代」を迎える。その大航海時代はポルトガル，スペインから始まるが，日本の
織田政権はカトリックの南蛮を受け入れ、徳川政権は警戒し，プロテスタントの国，
オランダなどと…歴史の不得意な私が読んでもなるほどと思った本だった。で，学生には
「大航海時代には新大陸からいろいろなものをもってきてね。たくさん集めて，それを
分類整理することから自然科学は大いに発達したんだ。」。
「オーストラリアでは，子どもをお腹の袋に入れて，ピョンピョン跳ねる動物がいた。
原住民の人に，あれなあに？ 『おらしらねえ』」。
「この『おらしらねえ』って言葉が，『カンガルー』だったんだね」
これが，「見てきたような。」ってわけ。
渋谷は，「谷」で，宮益坂，道元坂などの坂下が駅になっている。東急本店までは
上り坂だけど，バスはすぐについた。若い人は歩くでしょう。私よりも年長のご婦人が
10名足らずがバスの乗客。1時間ほどみて，東急百貨店本店前のバス停から，
若林折り返し場行きのバスが出ていることに気づき，それを利用して，折り返し場から
研究室まで歩く。
さて，話を渋谷に戻す。今回も乗車券や特急券は，先月に渋谷駅のみどりの窓口で
買った。宮脇俊三さんに敬意を表し，東海道線で豊橋，飯田線で岡谷（泊），中央線で
国分寺に戻る最長ではないけど片道切符。夏に来る機会はあったけど，2月に来てみる
のも，「行ってきたような嘘」にならないようにする為。
8月7日の片道切符 http://kks-el01.sakura.ne.jp/sot2014/gifu/koufu.htm
新幹線に乗ってついた豊橋。さすがにちょっと時間を持て余す。豊橋の在来線は，
飯田線が１・２番，私鉄の名古屋鉄道が3番，４・５・６が東海道線。しかし，伊那路
1号は東海道線用のホーム4番から出る。
飯田線も開業当時は豊橋を終点とする私鉄なので，そのホームは名古屋鉄道と同じく
頭端式。どうしてこの特急はとホームをみながら左手をみたら，引き込みに１０：０８
発の列車が待っていた。頭端式で待つと他の列車のためのホームが足りなくなる。ちなみ
に3番線と4番線の間には，ＪＲと現・私鉄との柵があり，現・私鉄と元・私鉄との間には
柵がない。しかし，ＳｕｉｃａなどのＩＣカードをタッチするためのポールはある。
（すぐ上は，名古屋鉄道の特急が入線した様子）
９：５５ごろ4番線に入線。1号車は全車指定。2号車・3号車は一部指定。連結近くに
テーブル付きのボックス席の指定席がある。
長篠城址など車掌さんの車内放送によるガイドあり。ＹｏｕＴｕｂｅなどに運転席から
の車窓風景をすべて収めた労作が投稿されているけど，よそ見しながらの景色は一段と
味わいがある。
（↑長篠あたり）
車窓のガラス越しの撮影なので，反射が写っているのにはご容赦を。
中部天竜の北なのに，まだ「浜松市」。
（↑もうすぐ飯田。）
中部天竜で乗務員交代，また逆方向の特急と行き違い交換。飯田には
定刻着。
切符の印字に加わるのは，在来線から新幹線への入場（品川）と，
新幹線から在来線（豊橋）。自動改札ではない，飯田では途中下車の判が捺されたが，
岡谷・甲府では，自動改札であったので，判はなし。
13：06飯田発、茅野行の普通列車に間に合う。20数分で，飯田駅での途中下車をして
駅前の孔府飯店で回鍋肉ラーメンの日替わりランチ680円を平らげたことになる。伊那路1号
に乗っていた若い女性の2人連れは，「どうしようか，駅に何もなさそうだし。外に出られる
のかな？」途中下車の制度を知らないのか，それとも途中下車ができないほど近くから乗った
のか。私は，ともあれ降りてみようとプランしていた。計画ではこれの1本あとの列車。
ちなみに本多勝一さんの本（たしか，『そして我が祖国・日本』（朝日文庫））で，ご自分の
故郷のことを書いておられて，大企業が入ってきて，町の商店街を根こそぎ摘み取ったとの
ことだったけど，その大企業のショッピングセンターも短い時間だからか，よくはわからない。
無人駅が多いせいだろう，車掌さんが乗車券をお持ちでない方と車内を回っている。
ドア扱いは運転士さん。飯田のつぎの駅は，「いなかみさと」。ひらがなの駅名表示に「田舎？」
とビックリしたが，伊那上郷。高校生が乗っていくる。クロスシートの2両編成。2人掛け席を
一人の社会人が使っていても，その横には座ろうとしない。その次の駅は「もとぜんこうじ
（元善光寺）」。長野市の善光寺に遷座される前に本尊があったところといういわくのあるお寺。
電化単線の線路を列車は快調に進む。長野は晴れとの予報通り。岡谷で途中下車。
駅員さんに自動改札は通せるかどうか聞いたら，「さあどうでしょう。どうぞやってみてくだ
さい」結果はＯＫ。岡谷はまじめな印象の街。
武井武雄さんの童画館のあるところ。飲食店は多い。ジャノメミシンの看板を取った建物に，
明光義塾。ただ，見た範囲の街には古本屋はおろか新刊本の本屋さんが見当たらなかった。
駅の案内によると，戦前は繊維工業で栄えた町で，いまは精密機械工業のものつくりの街と
いう。また信州の街には，味噌の工場がある。岡谷しかり，茅野もそうだったか，ちょっと
自信がない。
翌日，9：32発のあずさ10号。下り列車との交換で止まりますとのこと。それもそのはず，
岡谷・下諏訪・上諏訪・茅野，特急あずさは各駅に止まる。上諏訪と茅野の間で複線に
なった。東京は昨晩雪が降ったようだが，こちらは快晴。
茅野を出て先の到着時刻の案内。単線区間での遅れに伴って，2分の遅れとのこと。
茅野から小淵沢にかけて，車窓から雪が目立つようになった。標高の関係もあるだろうが，
道は除雪するし，建物や林だと雪は目立たない。夏場での農地はそのまま雪が積もるから，
そういった景色が多いのだろう。長野といえばリンゴだけど，昨日の飯田線の後半部分に
リンゴの木がおおくみられたが，こちらにはない。平地で水が得られるところなら田にして，
水が得にくいところでは果実の木を植える。そうこうしているうちに，小淵沢に着く。
甲府には，10：30定刻の到着。郵便局で現金をおろし，スタバで時間をつぶす。Wifiが使える
のがうれしい。駅前に機動隊の格好の警官の人がおおい。私よりも年上らしき女性が，なんで
警官の人が多いの？と警官に問うている。「きょうは集会があって，右翼の人が妨害に来るか
もしれないので…」と丁寧に説明している。
甲府からの帰りの日曜。指定席をとった特急には，まだ時間があるので，名物をたべようと，
ほうとうの「小作」（おざく）。南口の店は混んでいると踏んで，北口店へ。ちょっとだけ待って
席へ案内される。
豚肉入りのほうとうを頼む。
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ちなみに，このほうとうと，秩父のおきりこみ。雁坂峠を挟んでの小麦粉を 幅広の麺に打った煮込みうどんのようなものという共通点が多い料理。 学生さんのサークルで秩父にいくところの顧問をしていることがあった， ちょっと調べたことがあった。かぼちゃを入れるか入れないかという違いとか。 http://homepage.kokushikan.ac.jp/rio/user/kks_rio/hex/sirakaba/Ogano2012w/Feb13.htm このときの，おきりこみはみそ仕立てで，ほうとうと同様だったけど， この１月に，この店（西武秩父駅の仲見世）に行った時は，メニューが 変わっていて，しょうゆ仕立て。
夏場には，「つけ麺」はよろしいのですが，2012年２月の冬場のみそ 仕立てのおきりこみが，おいしかったので，この日は，ちょうどみそ にこみうどんがランチだったので，それを頼んだのでした。
2015.１月 西武秩父の仲見世で。 |
