甲府・岐阜・豊橋

 

 午前10時発「スーパーあずさ」の指定席特急券を持っているので、乗り遅れてはもったいない

と、時刻を1目盛り早目に家を出た。時刻に関しては大雑把な私は、その1目盛りは30分程度になる。

案の定、9:30ごろ新宿の9・10番ホームへ着いて、ひとつ前の特急甲斐路をホームで見送る。

あと30分もあるのでトイレにも行っておこうとエスカレータを下って、気が付いた。下の方が冷房

があるので、涼しい。

 午前10時定刻に発車。スーパーあずさは、八王子から甲府までノンストップである。車窓から、

夏らしい緑と、夏の青空を眺めることができた。

あれは、相模湖、あれは、富士急行だろうから、ここは大月。車内の、電光掲示に、「中央本線、

高尾・相模湖間で、車両点検のため、運転見合わせ。」と出た。中央本線とはこの線で、

あれは今と通ってきたところ。これは定刻の運転だけど、ひとつ遅れると、そんなトラブルに

遭遇したことになる。運が良かったと思った、が、それは後で単純すぎる判断であることが、

わかる。

 かばんに着替えを詰めるのを朝にやろうと思ったので、この日は午前5時起き。甲府に着く前に、

ほどよくお腹がすいている。予定通り下車。駅前というべき場所だけど、それなりに数分の時間が

かかる。ほうとうの店『小作』に入る。名物だけあって、朝は11時開店のようだ。私は11:30ごろ

入店。以前から、気になっていた、小豆のほうとうを注文する。そしたら店員さん、「20分ほど掛

かりますが、お客さん、時間大丈夫ですか?」『12:30ごろの特急に乗るのだけど』と特急券を

見せる。店の時計は10分早目の時刻を指すようにしてあるとのこと。ちなみに、ほうとう は、

基本、なべ なので、夏にはどうかと思うかもしれないが、「おざら」といって、つけ麺風のを出して

いる。

 

 

 デザート風に食べられるように、小豆だけは、ミニ版も出している(あとで勘定書をみたら、ミニが

600円。普通のは、メニューにあって、1150円)。じゃあ、普通の食事とそれとをお願いしましょう

ということになって、ともあれ、ミニの小豆ほうとうの注文を、調理場に入れてもらう。さて、食事の

方は。鳥モツ煮定食900円也に決める。モツ煮は鳥のと馬のとがある。山梨はさくら肉(馬肉)が

名産。

 

 

 

 

 モツ煮というと、味噌味で、ネギとか、こんにゃくとか、ニンジンとかを入れてあるものを連想す

るけど山梨のモツ煮は(実は、小作さんのお隣の店が、戦後始めたと、帰りにその看板見て知った)、

野菜などの入らない、もっぱらのモツ。味付けは、東海から近畿のドテ煮のように、甘辛い味噌で、

前に触れた方にドテ煮に入るコンニャクが入らない。ボリュームがあった。それとミニ版のほうとう

は、それだけでちょうどのボリューム。合わせて満腹になった。

 

 甲府駅に、12:15ごろ戻って、駅のアナウンス。特急は、28分遅れで運転。1番線に待っていた

普通小淵沢行きの車掌さんに聞く。小淵沢まで抜かれずに行きます。岡谷は、小淵沢の先で、

岡谷にいうには小淵沢で特急に乗りかえることになる。ここで特急を待つか、小淵沢で特急を

待つかになりますね。接続については、遅れに対応することもありますが、どうなるか、ここでは

わかりませんので、車内放送や、駅の放送でお知らせしていきます。小淵沢行きに乗る。

 

 

 山梨は果実の産地。ブドウ、そして、梨。梨の木の下に、レジャーシートのような銀色のシートが

敷かれているところがあった。そうして太陽の光を下からも当てて、梨を甘くするという工夫だろ

うか。中央本線、特に、塩尻までの中央東線はある程度運転本数があるが、中央西線や、飯田線は、

本数が少なくなる。1本遅れるが、1時間以上遅れることを意味する場合も少なくない。また、

新宿発、塩尻経由、名古屋行きといった、本線を始点から終点まで通しで運転する列車もない。

飯田線もそうだが、途中駅で乗り換えることになる。その乗り換えが列車の遅れで難しくなる。

1回の乗り換えなら、接続を図って待ってもくれようが、2本以上先で、それも対応すべき乗客が

少ないマニアックな乗り方をしている場合は、なおさらだ。

 ともあれ、甲府・小淵沢間は普通列車に乗って、車窓をゆっくり眺めることができた。中央東線

でも、恐らく現在のような複線化されるまでには、まず単線で通して、あとでもう一本通す

という段階的な工事をしたところもあるだろう。中央西線の場合は、電化はされているものの

単線の区間もまだあるようだ。明治の当初、鉄道省は東海道本線を、陸軍は中央本線を、東京、

京都を結ぶ鉄道にするべく争ったが、既に着手していた東海道に軍配があがったという。ともあれ、

私はいまは、甲府・小淵沢間のことを書いている。車窓をみていると、右側へ上り(勾配では

下りだけど)が、大きくカーブして、私の乗っている下りは、まっすぐ走ってトンネルに入る。

そして、トンネルを抜けると、また、上下が並行するといった区間が3か所くらい(?)あった。

 

ここは、地図の北部のトンネルを別々に作ったので、互いに離す必要があったのでしょうかと後日(8/12)に

Google地図をみて考えました。http://goo.gl/maps/6lxGS

 

ここも鉄橋を別々に作って、それにあわせて、トンネルも別々になるのでしょうね。http://goo.gl/maps/CtC7b (8/12)

 

ここは、上り線(右側)は等高線に沿った線路で、その西は斜面になっていたので、下り線(左側)を

トンネルにしたのでしょうか。(8/12記す) http://goo.gl/maps/og6Lr

 

左側の下り線は。トンネルの中だから、道路が真上にあっても大丈夫なのですね。

8/12記す) http://goo.gl/maps/89J37

 

http://goo.gl/maps/9AVcf (8/12) これで5か所目。

 

 蒸気機関車で登るには大変な区間を、勾配をまいて作ったが、その後複線にするに

あたって、その心配のない方向はショートカットするように、線路を設計したのだろうか。

中央自動車道では、「海抜最高地点」という標識があるような地点が近くにあるところで

ある。それとも、雪かきをするのに、ぴったり並行させて上下線を作ると困るところなの

だろうか。そんなことをあれこれ考えながら、乗っていた。小淵沢は小海線(これは、Google地図では

名前が変わっていて、八ヶ岳高原線。これは小海線の愛称 )の中央本線側の接続駅。もう片方

は小諸で信越線につながるが、信越線は、長野新幹線が作られることで、しなの鉄道という第3

セクター化されている。ともあれ、小海線の、途中で、JRの海抜最高地点がある。その清里、

野辺山は、ICカードSuicaが使えるが、他は使えないとの注意が小淵沢に掲示されていた。

 トラベルは、トラブルと語源が似たところにあると読んだのは、

『 世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ 』 (新潮文庫) 下川 裕治 (著)

だったか。ともあれ、直後のそれも後でそれに乗ることになる特急の車両点検で28分

の遅れというトラブルのおかげで、ともかくも、飽きることなくこの日8月7日の午後を

過ごした。マニアックな経路のために、特急は指定席満席だったものの、普通列車

では、冷房(この節電のご時世だから「効いている」と書くほどではない。)のある車内で

ゆったりと、夏の車窓を、無心に楽しんだ。

 

 

 さて、豊橋から岐阜に名古屋鉄道でいき、数教協全国大会の分科会で勉強し、

また岐阜から豊橋に戻るという、部分は、デジカメを撮る余裕もないほど集中して

いたので、いつものように省略。ただ、一言岐阜についていうと、かなり昔に、

「忠節橋」行きなどの名古屋鉄道市内線が走っている時代に訪れたことがあるが、

いまはバスに代わっていて、名鉄岐阜駅には、名古屋本線と各務原線とが入って

いる。各務原線のホームへも行ってみたが2両編成だけども、名古屋本線の

古い車両と変わらない電車が待っていた。以前来た時には、途中で、架線の

電圧が変わることに対応して、市内線に乗り入れる形式もこの線には走っていた

ように思う。

 

 

 台風11号の影響で、8月9日の午後は東海地方は雨が降るというニュースを聞き

ながら、9:40過ぎの豊橋行き快速特急に乗る。名古屋鉄道は、こうした特急の

列車に、ミューチケットが必要な特別車と、普通の切符だけで乗れる一般車とが

併結されている。一般車の車掌室は、運転席と同じだが、特別車の端の車両は

一番前の運転席が、やや低めに作られていて、車掌室は2両目の3両目(一般

車)よりに作られている。パノラマカー以来の伝統で、運転席を上か下かに寄せて

お客に電車の先頭の「パノラマ」を提供しようとしているわけだけど、豊橋から

岐阜へ行く編成だと、車掌がドアを閉めるのに、まず一般車の方を閉めて、

それから身体の向きを変えてから、特別車のドアを閉めるという2度手間をして

いる。ただ、逆の岐阜発豊橋行きでは、一般車の乗務員室、つまり電車の端から

の操作になるので、1回で済む。そうこうしているうちに10:21金山着。岐阜から

30分程度所要。神宮前から中部国際空港行きの線と分岐する。

 

 豊橋は、夜行バスで東京から来て、名鉄に乗り換える駅として早朝通ったことが

何回かある。また、蒲郡での学会に行く途中に降りたこともある。ただ、食事は

餃子の王将に入る程度で、それほど特色のあることをしたことはない。岐阜の

ビジネスホテルでパソコンをインタネットにつなぎ、豊橋の名物を調べてみた。

カレーうどんだという。どこの駅そばにもありそうな、メニューと思いやすいが、

なぜか、トトロごはんの上にカレーがかかり、そのカレーにうどんが入っている

という読むだけだと不思議なものであるようだ。甲府の鳥モツ煮にしても、

豊橋のカレーうどんにしても、平凡そうにみえる名前をもつ、その土地ならでは

の名物。残念ながら胃袋は1つしかないので、名古屋のきしめんを今回食べら

れなかったが、麺類のバリエーションは、予算をあまりかけなくて済む、食べ物

ツアーである。

 神宮前を過ぎて、いま名鉄の快速特急は知立へ向かっている。10:35.一般

車でも、1列通路2列の設計で、前向きの1列シートで岐阜からパソコン

でメモをしてきた。JRに比べてやや揺れるが、快適である。電源はないけども、

バッテリーは悠々持つタブレット型のWindows8マシン。暇つぶしには持って

来いだ。知立に10:38.昔は池鯉鮒と書いた東海道53次のうちのひとつ。

豊橋には、11時くらいに着くだろう。名物のカレーうどんの店は駅の

近くにも何軒かあって、11時開店。

 

家で8/12に調べた結果。あ、ここなら、電車通りを「ほの国百貨店」の先の

第三銀行豊橋支店まで歩いて、広小路を戻ってきたのだから、前を通ったはず。

他のうどんも出しているので、もっぱらカレーうどんってわけではないのですね。

http://tabelog.com/aichi/A2306/A230601/23009617/

 

 豊橋に着いたのは、11:10ごろ。それから市内電車の通る通りを10分

ほど歩いて、見つけられず、また駅ビルへ戻った。多分私の探し方が悪

かったのでしょう。家に帰ってからネットで調べてみます。ビジネスホテル

で調べて、地図の概略を、市内電車の通りにも1軒あって、ちょっと入った

ところにも1軒程度しか頭に入ってなかったので。結局、駅ビルの1階の

店「みかわの郷」で、豊橋カレーうどんを食す。店員さんから、食べ方を知っています

か?と聞かれちょっと考えてから「いいえ」と答える。『上から順に食べて

行って、下にあるとろろご飯が出てきたら混ぜて食べる。』。

予想通りだったけど、そう説明してくれることを確かめられてよかった。

お会計の時に、レジに豊橋カレーうどん4周年記念、スタンプ・ラリー

を案内するラリーのシートがあった。11:30ごろ入ったのだけど、さすが

駅ビルだけあって混んでいて、すぐに席にはつけずに数分待たされた。

お隣の2人連れも豊橋カレーうどんを注文している。何分発だったっけ?

11:53分。間に合うかなぁ。。 私は12:47なのでここに入ったのだけど、

こちらは食べ終わっても彼らを先に会計させた方がいいかとちょっと待って

みたけど、悠々と携帯を操作していた。あとの「こだま」の自由席でもいいか

という作戦だろう。そこで、先に出ることにした。食べ方ご存知ですか?と

店員さんから多くの人が聞かれているところをみると、多くの人がカレー

うどんを、この暑いさなかに注文している。そしてさすがに駅ビルだけあって

繁盛していた。

 

 

 まだまだ時間があるので、さっきのカレーうどんのお店探しで場所を

知ったBookOffを冷やかす。12:20ごろ新幹線の改札に入る。ホームに

出たら風が強くなっていた。タブレット・パソコンを出して両手で打っていると

もしかして、風に飛ばされるかもとちょっと怖くなる。ほどなくして、入線の

アナウンス。

 

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